爪(つめ)水虫の治療法①

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『爪水虫は飲み薬で治す』

多くの場合、爪水虫は足の水虫を治さず放っておくことで、足から爪に白癬菌が移り感染します。一度爪に白癬菌が入り込むと、爪が白癬菌の住みかとなり菌をばら撒くため、足の水虫の治りも悪くなります。つまり、爪水虫を治さない限り、足の水虫が治ることもないということになります。

一般的に、足の水虫は外用薬を用いて治療することが多いですが、爪は硬いため外用薬では爪の内部まで薬が届かず、効果が出にくいことが分かっています。そこで通常、爪水虫の場合は抗真菌剤の飲み薬が使用されます。抗真菌剤を飲むと、胃腸から吸収されて皮膚や爪に運ばれ、そこで効果を発揮します。

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『爪の水虫は治りにくかった』

爪水虫の治療に用いる飲み薬としては、現在ではグリセオフルビン、イトラコナゾール、テルビナフィンの3種類がありますが、1990年代後半までは、グリセオフルビンのみしかありませんでした。

このグリセオフルビンを飲むと胃腸でその成分が吸収され、爪の根元の細胞に沈着します。その細胞が爪の角質細胞となることで、白癬菌が増殖することを防ぎます。しかし効果が現れるまでには時間を要し、即効性はありませんでした。また、グリセオフルビンには白癬菌を殺す効果はなく、菌の繁殖を抑える作用しかないため、治っていない段階で薬の服用を止めてしまうと、白癬菌が活動を再開し元の状態に戻ってしまいます。

グリセオフルビンの服用による治療では、爪水虫の完治までに1~2年の時間がかかり、その間1日3~4錠を2~3回ずつ飲み続けなければなりません。これには相当の根気が必要であり、効果もすぐには現れないため、最後まで治療を続ける方は少ないのが現状でした。また、この薬には副作用として頭痛・腹痛・下痢・胸焼け・肝機能障害などがあることもあり、最後まで治療を続ける方の割合は30%以下といわれています。

なお、医者の側にも爪水虫は治りづらいという先入観をもたらし、命に関わる病気ではない、水虫薬は副作用があるので処方しない、といった理由から治療を放棄する医者が多かったことも事実です。


『新しい爪水虫の飲み薬』

最近では、1997年にテルビナフィン、1999年にイトラコナゾールが爪水虫に使用することが可能となり、その治療法にも大きな変化がありました。これらの薬は1日1回の内服で効果があり、グリセオフルビンとは異なり白癬菌の殺菌作用があります。また欧米では1980年代から使用されてきました。

この2つの薬は、人間のケラチンと結合しやすい性質を持っているため、皮膚の角質層や爪の内部へ浸透でき、一旦入り込むと長期間そこに留まっています。イトラコナゾールを内服すると、24時間後には角質層にまで成分が浸透し、7日後には爪の先端にまで到達します。また、内服後、6~9ヶ月間は効果が持続します。このように、薬の内服を止めてからも白癬菌に対する効果が持続するため、爪水虫の治療期間が大幅に短縮可能となりました。

これらの薬を服用して1~2ヶ月すると、ほとんどの場合、爪の根元から健康なピンク色の爪が新たに生えてきます。このように、薬の効果が目に見えてわかるため、水虫患者の方も治療を続ける気持ちが持続しやすい点も大きいようです。

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また、患者の方の水虫に関する認識が高まることで、医師の方も水虫に対して注意深くなり、爪水虫を見逃すケースが減少し、治療に対する熱意も上がってきています。


『パルス療法と短期療法』

新たな薬が出てきたとはいえ、爪水虫を治すには、それなりの根気が必要です。そこで、可能な限り短期間で治療を完了するための様々な治療法が。これまで研究されてきました。

以前より欧米では、イトラコナゾールのパルス療法が試されてきました。パルス療法は、まず1週間、通常の倍の400mgのイトラコナゾールを毎日服用し、その後3週間休みます。これを1サイクルとして、3~4サイクル繰り返す治療法です。パルス療法は、短期間の内服で高い効果が得られること、総量が少なくなり治療費を抑制できること、また副作用が少ないことなどの利点があり、患者の方にとっても負担が少ない治療法です。

一方、テルビナフィンを毎日250mgずつ、3~4ヶ月間だけ内服する短期療法で十分な効果を得ることができることも分かっています。

これらの治療法が、現在では爪水虫の治療の主流となっています。


『日本でも承認されたパルス療法』

これまで欧米にて行われてきた、1日400mgのイトラコナゾールを投与するパルス療法ですが、最近になって全国的な臨床試験が実施され、2004年2月に正式にその治療の実施が承認されました。そして現在では、イトラコナゾールによるパルス療法が、爪水虫の最もポピュラーな治療法として、全国の皮膚科で実施されています。

この治療法は、日本ではまだ始まったばかりということもあり、その効果を正確には判断するにはまだデータが足りませんが、パルス療法を実施した複数の患者の方から、爪水虫の症状が軽くなったとの報告が上がってきています。

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