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足の指の間や足の裏の角質層に白癬菌が棲みつきやすいですが、それに対して、皮膚に赤みや水疱などの炎症反応を起こす水虫もあります。また、毎年水虫を繰り返しているうちに、足の裏全体の角質層が厚くなってくることがありますが、これも水虫の症状の一つです。これらの症状について以下に説明します。
▼足の水虫の種類
| 水虫の種類 | 症状・特徴 |
|---|---|
| 趾間型 (しかんがた) |
水虫の半数以上はこのタイプです。足の指の間、特に薬指と小指の間に多く生じる水虫です。水虫に感染した当初は指の間が赤くなったり、皮が薄くむけたりしますが、やがて皮膚が白くふやけてきたり、それがむけて赤くただれたりすることがあります。また、水疱を伴う場合や皮膚が厚く硬くなる場合もあります。このタイプの水虫は、強いかゆみを伴うことが多いです。 |
| 小水疱型 (しょうすいほうがた) |
土踏まずや足の指の付け根部分に対して周りが赤くなった小さい水疱がたくさん生じるのが特徴です。水疱の大きさは様々で、複数が寄り集まってできたり、孤立してできる場合もあります。この水疱は時間がたつと乾燥してかさぶたとなりいずれ剥がれ落ちますが、無理にむいたりするとびらんになります。なお、この水疱の中の汁には白癬菌はほとんど含まれていませんので、触ったからといって感染する心配はありません。 |
| 角質増殖型 (かくしつぞうしょくがた) |
足の裏全体、特にかかとの角質層が厚く硬くなります。その部分をこすると、皮がむけてひび割れを起こすこともあります。このタイプの水虫は、他のタイプに比べてかゆみを伴うことは少ないです。しかし冬場になると乾燥のためひび割れて痛むことがあり、老化現象や肌荒れ、あかぎれと勘違いすることが多いです。そのため、ほとんどの方が水虫とは気づかずに、放置したり保湿クリームでその場しのぎをしているのが現状です。 |

みなさん自分の足を見ていただくと分かりますが、足の指の隙間が最も少ないのは、薬指と小指の間です。特に靴を履くと足先が圧迫されるため、この隙間はなくなり薬指と小指はくっついてしまいます。そうするとこの部分は湿気や温度が高くなるため、趾間型の水虫はこの部分にできやすくなります。つまり、薬指と小指の間に水疱ができている場合には、水虫に感染している可能性が高いです。
しかし、これだけで水虫と判断することは危険を伴います。これは、異汗性湿疹と呼ばれる水虫に似た症状もこの部分に出やすいからです。正確に病気を判断するには、顕微鏡検査で真菌を確認する必要があります。
趾間型と小水疱型の水虫においては、白癬菌が角質層に侵入すると、皮膚に炎症反応が生じます。
高温多湿の条件のもとでは、角質層に侵入した白癬菌は、角質層の生え変わりよりも速いスピードで角質層の中で増殖していきます。すると、この白癬菌の存在をランゲルハンス細胞という体内の免疫を担当する細胞が発見し、その情報をリンパ球に伝達します。その情報を元にして、様々な免疫細胞が白癬菌の存在する皮膚の周辺に集まり、菌を排除しようと働きます。これにより、皮膚が赤くなったり水疱ができたり、かゆみを生じたりするわけです。普通、水疱のような激しい反応がおこると、水疱の周りからは白癬菌は退去し、炎症の軽い範囲へ身を潜めます。
このような免疫反応は、「かぶれ」の際と同様の反応ということがいえます。皮膚内に入り込んだ有害物質に対して、それを排除するために免疫細胞が体中から集まり退治しようとします。その結果として、皮膚が赤くなったり、水疱ができたり、かゆみがでたりして、「かぶれ」が生じます。
もし、このような症状が起こらなかったとすれば、身体が白癬菌に対して防御反応を示していないことになりますので、体内の免疫機能に何らかの障害が発生していることが考えられます。つまり、白癬菌に対してかゆみや水疱が生じることは、病原菌から身体を守ろうとしているサインであるため、身体が正常に機能していることを表しているともいえます。

水虫はかゆいもの、というイメージがありますが、実はかゆくない水虫もあります。角質増殖型の水虫がそれにあたります。
水虫の原因である白癬菌の99%以上は、トリコフィトン・ルプルム、トリコフィトン・メンタグロフィテスの2種類の菌が占めています。これらの菌は人の皮膚を好んで寄生するカビで、皮膚の中でどんどん増殖するイメージがありますが、実はそれほど凶暴な菌ではなく、侵入した相手に気づかれないようにひっそりと住み着いています。
これらの菌が皮膚に侵入した場合、最初のうちは侵入したことが免疫細胞に感知されるため、免疫反応が生じて趾間型や小水疱型の水虫となりますが、時間が経つにつれて白癬菌は侵入した相手と仲良くなり、共存できるようになります。これにより、身体は白癬菌を追い出そうという反応を示さなくなりますので、これまでの水虫の症状はでなくなり、かゆみもなくなります。しかし白癬菌自体はいなくなったわけではなく、角質層の中でどんどん増殖を続けており、やがて角質は厚く硬くなります。このようにして、趾間型、小水疱型の水虫は角質増殖型の水虫へと変化していきます。
無数に存在するカビの中で、なぜこの菌だけが免疫反応を起こさずに人間の角質内に生存しつづけることができるのかについては、未だ解明されていません。
少し前までは、爪が水虫になることを認識している人はほとんどいませんでした。実際に爪の水虫に感染している人でも、単なる老化現象や靴の圧迫などが原因と勘違いしている場合が多かったのです。
しかし、最近は薬の進化に伴い抗真菌内服材が登場し、爪の病気も比較的簡単に治るようになったため、新聞や雑誌などのメディアに取り上げられる機会も増えた結果、爪の水虫を認識している方も増えてきました。特に若い女性の間では、素足にミュールやサンダルを履く機会が多くなり、ペディキュアを塗る際に爪の変形に気がついた、といったケースも増えています。
日本には1200万人の爪水虫の感染者がいますが、60歳以上の高齢者に限ると5人に2人が足の水虫と爪水虫を併発しているというデータもあります。これは、足の水虫の治療が十分でなかったため、爪水虫に移行したケースが多いことを表しています。
爪水虫により爪が変形することで、靴下が爪に引っかかってしまい破れてしまう、靴がはきづらい、歩きづらいなどの支障をきたします。ある調査によると、爪水虫の方の7割程度が生活に何らかの支障があると回答しています。これは、ゴルフなどの趣味にも影響するほか、手の爪が水虫に感染した場合には仕事にも支障が出てきます。また、爪が切りにくい、他人にうつすのが心配といった悩みも伴います。
爪の水虫に感染した方の最も多い悩みはやはり美容上の問題でした。爪水虫感染者の方の半数の方が、人目が気になると回答しており、特にサンダルをはく時やプール、温泉に行く時に、そのように感じているようです。また、人前で手を出すことが恥ずかしいため、自然と仕事や趣味が消極的になっている方も多く見られます。
また、爪の水虫は他人への感染源となりますので、所詮水虫だからと安易に考えずに、積極的に治療に取り組む必要があります。
▼爪水虫に感染している人の割合(年齢別)
| 年齢層 | 全体に対する割合 |
|---|---|
| 19歳~30歳 | 3.5% |
| 31歳~39歳 | 5.5% |
| 40歳~49歳 | 14.8% |
| 50歳~59歳 | 22.3% |
| 60歳以上 | 40.4% |
▼爪水虫による日常生活での支障(複数回答)
| 支障の内容 | 回答率 |
|---|---|
| 人目が気になる | 46% |
| 靴下がすぐに傷む | 17% |
| 違和感がある | 17% |
| 痛みがある | 16% |
| 靴が履きにくい | 8% |
| 細かい作業ができない | 6% |
| 力が入らない | 3% |
| 特に支障は無い | 44% |
| その他 | 8% |
爪の水虫は、白癬菌が爪の内部に入り込んで引き起こされる病気です。長い間水虫を放置いておいたり、中途半端な治療を行っていると、足の水虫から手足の爪に白癬菌がうつり、発症します。
一般的に足の水虫が爪にまで感染する場合、白癬菌は爪の先端の裏、または爪の脇から入ってきます。その感染部分の角質が水虫菌の増殖によって厚くなり、爪の色が黄白色に濁ってきます。また白癬菌が破壊した爪の間に空気が入るため、その部分はちょっとした衝撃でもぼろぼろと崩れるほどもろくなります。さらに、この症状は次第に爪の根元のほうまで広がっていきます。
爪の水虫の中ではこのタイプ(遠位側縁部爪甲下型)が最も多く、全体の90%以上を占めています。その他の症状としては、爪の表面に白い膜を形成するタイプ(白色表在型)、爪の根元から感染するタイプ(近位部爪甲位型)、爪全体が変形してしまうタイプ(全層異形成型)などがあります。